「朝起きたときに腰が痛い」「部屋を広く使いたいから、出し入れしやすい寝具を探している」
そんな時、候補に上がるのが「三つ折りマットレス」と「敷布団」です。
どちらも「畳んで収納できる」という共通点がありますが、実は寝心地やメンテナンス方法は全く異なります。結論から言うと、「睡眠の質(体の楽さ)を重視するなら三つ折りマットレス」、「天日干しの清潔感と扱いやすさを重視するなら敷布団」がおすすめです。
この記事では、両者の違いを7つの項目で徹底比較しました。この記事を読み終える頃には、あなたがどちらを買うべきか、明確な答えが出ているはずです。
三つ折りマットレスと敷布団どっちがおすすめ?

「三つ折りマットレス」と「敷布団」。どっちも一長一短がありますが、最終的な決め手は「あなたが寝具に何を一番求めるか」という優先順位にあります。ここでは、それぞれの寝具がどのようなライフスタイルや身体の悩みにマッチするのか解説します。
三つ折りマットレスが向いている人
現代の日本の住環境、特にフローリング中心の生活において、三つ折りマットレスは非常に合理的な選択肢です。具体的には、以下のような悩みを持つ方に最適です。
1. 腰痛や慢性的な体の痛みに悩んでいる人
「朝起きた瞬間から腰が重い」「寝返りを打つたびに目が覚める」という方は、三つ折りマットレス(特に高反発タイプ)を検討すべきです。 敷布団との最大の違いは、ウレタン素材による「押し返す力」にあります。
敷布団は重さがかかるとその分沈み込んでしまいますが、高反発マットレスは反発弾性を利用して、体を下からしっかりと支え上げます。これにより、理想的な寝姿勢とされる「立ったままの姿勢を横にした状態」をキープしやすくなり、特定の部位(特に腰や肩)への過度な負担を分散してくれます。
2. 手入れの負担を最小限に抑え、楽をしたい人
仕事や家事で忙しく、寝具の手入れに時間をかけられない方にとって、三つ折りマットレスは救世主となります。 敷布団の場合、湿気を逃がすためには「ベランダへ運び、重い布団を干す」という重労働がセットになります。
しかし、三つ折りマットレスは自立するため、朝起きたらその場で「N字型」に立てかけるだけで、床との接地面に溜まった湿気を逃がすことができます。 外に干す手間も、天気を気にするストレスもありません。
この「室内干し」が完結する手軽さは、共働き世帯や一人暮らしの方にとって大きなメリットです。
3. フローリングに直接敷いて寝るスタイルを好む人
最近では畳のない部屋が増えていますが、フローリングに直接寝具を敷く場合、最も懸念されるのが「底付き感」と「底冷え」です。 一般的な敷布団は厚みが5〜8cm程度しかなく、フローリングに敷くと床の硬さをダイレクトに感じてしまいます。
一方、三つ折りマットレスは厚さ10cm以上のモデルが主流です。この数センチの差が、床からの冷気を遮断し、底付き感を解消する決定的な役割を果たします。ベッドフレームを買わずに、床で快適に眠りたいミニマリストの方にも非常に支持されています。
三つ折りマットレスはこんな方におすすめ
- 腰痛や体の痛みに悩んでいる人:高反発ウレタンなどが体をしっかり支えます。
- 手入れを楽にしたい人:外に干さず、室内で立てかけるだけで湿気対策が完了します。
- フローリングに直敷きしたい人:厚みがあるため、床の冷気や硬さが伝わりにくいです。
敷布団が向いている人
一方で、古くから愛されてきた敷布団には、マットレスには代えがたい独自の魅力があります。
以下のようなこだわりを持つ方は、敷布団を選ぶことで満足度が高まるでしょう。
1. 太陽の光で干した「フカフカの布団」で寝たい人
「太陽の匂いがする布団にくるまって眠るのが至福」という感性派の方には、やはり敷布団が一番です。 三つ折りマットレスの主原料であるウレタンは、実は直射日光(紫外線)に弱く、外に干すと劣化が早まってしまいます。
対して、綿やポリエステルを主とする敷布団は、外で思い切り天日干しをすることが可能です。太陽の熱で湿気を飛ばし、中綿をふっくらと膨らませることで、物理的な清潔感だけでなく、心理的な安心感や心地よさを得ることができます。
また、定期的に外で干すことでダニ対策も行いやすくなります。
2. 寝具を可能な限りコンパクトに収納したい人
収納スペースの形状やサイズに制限がある場合、柔軟性の高い敷布団に軍配が上がります。 三つ折りマットレスは、決められた3つの方向にしか折ることができず、収納時の厚みも一定になります。
しかし、敷布団であれば、「三つ折り」だけでなく「四つ折り」にしたり、くるくると「丸めたり」することが可能です。 例えば、来客用にクローゼットの隙間に押し込みたい場合や、車に積んでキャンプや帰省に持っていきたい場合など、形を自由に変えられる敷布団の機動力は非常に重宝します。
3. 昔ながらの「ふんわりと包み込まれる」寝心地を愛する人
高反発マットレスの「硬さ」がどうしても体に合わないという方も一定数存在します。 敷布団の魅力は、綿(コットン)や羊毛(ウール)が持つ、天然素材特有の「優しく包み込むような柔らかさ」です。
ウレタンのように跳ね返す感覚ではなく、自分の体の形に寄り添ってくれる感覚は、子供の頃から布団で寝てきた日本人にとって非常にリラックス効果が高いものです。
特に、体重が軽めの方や、筋肉量の少ない高齢者の方にとっては、硬すぎるマットレスよりも、ある程度適度なクッション性のある敷布団の方が、血行を阻害されず快適に眠れる場合があります。
敷布団はこんな方におすすめ
- 太陽の光で干した布団で寝たい人:外干しができるため、湿気を逃がしダニ対策もしやすいです。
- 寝具をコンパクトに丸めたい人:三つ折りよりもさらに小さく畳んだり、収納場所に柔軟性があります。
- 昔ながらの柔らかい寝心地が好きな人:綿や羊毛のふんわりとした感触を好む方に適しています。
三つ折りマットレスと敷布団どっちを選ぶべき?7つのポイントで比較

三つ折りマットレスと敷布団は具体的に何が違うのか、比較表とともに詳細を解説します。
| 比較項目 | 三つ折りマットレス | 敷布団 |
| 寝心地(サポート性) | ◎ 高反発で腰を支える | △ 底付き感が出やすい |
| 手入れ | ◯ 室内で立てかけるだけ | ◎ 天日干しが可能 |
| 収納性 | ◯ 三つ折りのみ | ◎ 畳む・丸めるなど自在 |
| 耐久性 | ◎ 5〜8年程度(高密度の場合) | △ 3〜5年でヘタリやすい |
| 通気性 | △ ウレタンは湿気がこもりやすい | ◯ 綿や羊毛は吸湿性が高い |
| 価格 | 1万円〜5万円(幅が広い) | 5,000円〜2万円 |
| 処分のしやすさ | △ ウレタンの切断が必要 | ◯ 布として裁断しやすい |
1. 寝心地と体圧分散性(腰への負担)
寝具選びにおいて最も重要なのは、睡眠中の身体にかかるストレスをいかに軽減できるか、つまり「体圧分散性」です。
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三つ折りマットレス(特に高反発タイプ) 高反発ウレタンを主材としたマットレスは、身体の重い部位(胸椎や腰椎)が沈み込みすぎないよう、下から押し返す力が働きます。これにより、理想的な寝姿勢とされる「自然なS字カーブ」を維持しやすくなります。腰痛持ちの方に推奨されるのは、この強力なサポート力によって寝返りがスムーズになり、筋肉の緊張を解いてくれるからです。
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敷布団 一般的な敷布団は厚みが5~8cm程度のものが多く、使い続けるうちに中綿が潰れてしまいます。体重がある方や横向き寝が多い方が使うと、腰や肩が床に直接当たるような「底付き感」が生じやすく、これが血行不良や朝の身体のバキバキ感に繋がります。
厚生労働省の「e-ヘルスネット」でも、良い睡眠のためには「適切な寝姿勢を保てる寝具」の重要性が説かれています。寝返りは睡眠中の血液循環を助ける重要な動作であり、それを妨げない寝具選びが健康維持の鍵となります。
参考リンク: 快眠のための起きてすぐの習慣(厚生労働省 e-ヘルスネット)
2. 手入れのしやすさ(陰干し vs 天日干し)
毎日のメンテナンス性は、家事の負担に直結します。
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三つ折りマットレス 共働き世帯やマンション住まいで、布団を外に干す時間が取れない方に最適です。三つ折りマットレスは折り目で曲げて「N字型」に立てるだけで自立します。窓を開けて風を通すだけで、底面に溜まった湿気を効率よく逃がせるため、室内で手入れが完結します。
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敷布団 綿やポリエステルなどの素材は吸湿性に優れていますが、自ら水分を放出する力が弱いため、放置するとすぐに湿気がこもります。重い布団をベランダまで運び、両面を太陽に当てる「天日干し」が基本です。この重労働を週に数回行える余裕があるかどうかが、敷布団を衛生的に保つための分かれ目となります。
3. 収納性とスペース活用
部屋を多目的に使いたい場合、収納のしやすさは譲れないポイントです。
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三つ折りマットレス 一定の厚み(10cm前後)があるため、畳んだ時のボリュームはそれなりに出ます。また、折り目の方向にしか曲がらないため、収納場所の奥行きや幅を事前に測っておく必要があります。しかし、最近では出しっぱなしにしてもインテリアに馴染むデザインが多く、壁際に立てて「ソファ代わり」にするなど、収納しない活用法も人気です。
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敷布団 「畳む」「丸める」「重ねる」といった柔軟な扱いができるのが最大の特徴です。押し入れの狭い隙間に無理やり押し込んだり、来客用に小さく丸めてクローゼットの天袋に収納したりと、日本の限られた住空間を最大限に活かすことができます。
4. 耐久性と寿命
「1日あたりのコスト」を考える上で、買い替えスパンの把握は不可欠です。
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三つ折りマットレス ウレタンの品質を示す「密度(D)」に依存しますが、30D以上の高品質モデルなら5年〜8年は快適に使えます。さらに、三つ折り特有の裏技として、最も体重がかかってヘタリやすい「中央(腰部分)」のパーツを、頭側や足側のパーツと入れ替える(ローテーション)ことが可能です。この工夫により、1枚もののマットレスよりも寿命を大幅に延ばせます。
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敷布団 中綿の寿命は意外と短く、一般的には3年〜5年が限界です。打ち直し(中綿の再加工)をすれば長く使えますが、新品を買うのと同等のコストがかかることも多いです。毎日同じ位置に荷重がかかるため、一度「せんべい布団」化してしまうと、寝心地の回復は難しくなります。
5. 通気性とカビ対策
特にフローリング直敷き派にとって、カビは最大の敵です。
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三つ折りマットレス ウレタン自体は水を吸わないため、寝汗はマットレスを通り抜けて床との接地面で結露します。放置すると一晩でカビが生えるリスクがありますが、前述の「立て干し」が容易なため、対策自体は非常に簡単です。
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敷布団 綿などの天然素材は汗を吸い込みますが、放湿性が低いため、布団の内部(中綿)に湿気が溜まり続けます。これがカビだけでなくダニの繁殖原因にもなります。
東京都保健医療局が公開している「住まいの衛生」では、カビ対策として「換気」と「寝具の乾燥」の徹底を推奨しています。特にフローリング環境では、除湿シートを併用するなどの工夫が必要です。
6. 価格相場とコスパ
初期投資と維持費のバランスを考えましょう。
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三つ折りマットレス 1万円前後のリーズナブルなものから、ブランド系の5万円以上のものまで幅広いです。一見高く見えますが、例えば3万円のマットレスを8年使えば、1日あたり約10円です。腰痛による整体代や買い替えの手間を考えると、トータルのコスパは非常に高いと言えます。
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敷布団 5,000円〜1万円程度で手に入るため、引っ越し直後の費用を抑えたい時には強い味方です。ただし、耐久性の低さから数年ごとに買い替える必要があり、さらにクリーニング費用や天日干しの手間を含めた「見えないコスト」を考慮する必要があります。
7. 捨てやすさ(処分の手間)
購入時には忘れがちですが、処分のしやすさも現代の重要なスペックです。
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三つ折りマットレス 基本は粗大ごみですが、多くの三つ折りモデルはカバーを外すと中身が3つのウレタンブロックに分かれています。これらはカッターやハサミで容易に裁断できるため、小さくして「可燃ごみ」として出せる自治体も多く、処分のハードルは意外と低いです。
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敷布団 粗大ごみとして出すのが一般的です。裁断も可能ですが、中綿が飛び散ったり、キルティングを切り裂くのに非常に力が要るため、マットレスの解体よりも重労働になる傾向があります。
自治体によって「一番長い辺が30cmや50cmを超えると粗大ごみ」といったルールがあるため、事前に確認しておきましょう。
参考リンク: 家庭から出るごみの出し方(各自治体例:東京都)
三つ折りマットレスのメリット・デメリット:現代の住環境に選ばれる理由

三つ折りマットレスのメリット:高反発で腰が楽、立てて干せる
三つ折りマットレスの最大の武器は、「腰痛への臨床的なアプローチ」と「家事負担の劇的な軽減」の両立にあります。
1. 体圧分散と「寝返り」による睡眠の質の向上
人間は一晩に20回〜30回の寝返りを打つと言われています。高反発ウレタンを採用した三つ折りマットレスは、バネのような反発力で身体を押し上げるため、筋力を使わずにスムーズな寝返りをサポートします。
特に腰痛に悩む方にとって、敷布団のように腰が沈み込んでしまう状態は、寝返りのたびに筋肉に負担をかけ、脳を覚醒させる原因になります。マットレスが体を「線」ではなく「面」で支えることで、特定の部位への圧迫を逃がし、深い眠り(徐波睡眠)を維持しやすくするのです。この「体圧分散性」こそが、翌朝の体の軽さを生む最大の理由です。
2. 収納のしやすさと「多機能性」による部屋の有効活用
日本の都市部における住環境では、限られたスペースをいかに広く使うかが課題です。三つ折り構造のマットレスは、畳んだ際に「自立する」という物理的特性を持っています。これにより、押し入れがないクローゼット派の部屋でも、隅に立てておくだけで生活感を消すことができます。
さらに、最近では厚みを利用して、畳んだ状態で「カウチソファ」や「オットマン」として活用できる多機能モデルも登場しています。寝具を「ただ寝るための道具」から「日中のインテリア」へと昇華させた点が、ミニマリストやワンルーム住まいの層に深く刺さっています。
3. 衛生的で合理的な「N字干し」の習慣化
湿気大国である日本において、カビ対策は永遠のテーマです。三つ折りマットレスは、特別な道具を使わずに、自身の形状を活かして「N字型」に立てることができます。 外に干すために重い布団を抱えて移動したり、天候を気にしたりする必要はありません。朝、出勤前にサッと立てて窓を開けておくだけで、床との間に溜まった熱気と湿気が効率よく排出されます。
この「ついで」にできるメンテナンスの気軽さが、清潔な睡眠環境を長く維持するための高いハードルを、劇的に下げてくれるのです。
三つ折りマットレスのデメリット:折り目部分の違和感、丸洗い不可が多い
メリットが非常に多い一方で、構造上の特性からくる弱点も存在します。
後悔しないために、以下のリスクを正しく理解しておくことが重要です。
1. スリット(折り目)への沈み込みと違和感
三つ折りマットレスには、構造上どうしても2箇所の「つなぎ目」が発生します。安価な製品や設計の甘いモデルでは、この隙間に腰や背中が落ち込んでしまい、不自然な姿勢になってしまうことがあります。
これを回避するための鉄則は、「10cm以上の十分な厚みがあるもの」を選ぶ、あるいは「折り目の隙間を埋めるように側生地が設計されているモデル」を選ぶことです。
また、マットレスの上に薄手の敷きパッドを1枚敷くだけでも、折り目の違和感は劇的に改善されます。
2. ウレタン素材特有の「熱のこもり」と蒸れ感
主材料であるウレタンフォームは、スポンジのような構造をしているため、通気性が低いモデルでは背中に熱がこもりやすい傾向があります。特に夏場、敷布団の「綿」の感覚に慣れている方は、少し蒸れやすく感じるかもしれません。
しかし、最近では「オープンセル構造(気泡が繋がった構造)」で通気性を高めたウレタンや、表面に凹凸を作る「プロファイル加工」によって空気の通り道を作った製品が主流になっています。
こうした通気性対策が施されたモデルを選び、さらに接触冷感や吸湿速乾のシーツを併用することで、このデメリットは十分に解消可能です。
3. 中材の丸洗いができないメンテナンス上の制約
敷布団の中にはコインランドリーで丸洗いできるものもありますが、ウレタンマットレスの多くは水洗いができません。水分を含むとウレタンが劣化し、本来の反発力が失われてしまうためです。
そのため、マットレスを長く使うには、「側生地(カバー)が取り外して洗えるか」が非常に重要です。
万が一の汚れに備え、防水シーツやプロテクターを併用することで、中材を守りながら衛生的に使い続ける工夫が求められます。
敷布団のメリット:日本伝統の寝心地と扱いやすさ
敷布団の最大の価値は、天然素材の「調湿機能」と、形を変幻自在に変えられる「柔軟性」にあります。
1. 圧倒的な吸湿性と天然素材による「自己温度調節」機能
綿(コットン)や羊毛(ウール)を主原料とする敷布団は、ウレタン製のマットレスには真似できない優れた**「吸放湿性」**を備えています。 特に「天然のエアコン」と称される羊毛は、睡眠中にかくコップ一杯分の汗を素早く吸収し、外へと放出する際に気化熱を調節するため、夏はムレずに涼しく、冬は体温を逃がさず暖かく保ちます。
化学繊維の蒸れ感が苦手な方や、肌の弱い方にとって、天然素材に包まれる安心感は何物にも代えがたいメリットです。
2. 丸めて収納できる「変形自在」な柔軟性
三つ折りマットレスは折り目が決まっているため、収納場所をマットレスの形に合わせる必要があります。対して敷布団は、中綿の柔らかさを活かして、三つ折り、四つ折り、あるいは「丸める」といった柔軟な扱いが可能です。
奥行きのないクローゼットの隙間に押し込んだり、来客用にくるくると丸めてコンパクトに天袋へ収納したりと、スペースの形状に合わせて「形を変えて対応できる」機動力の高さは、日本の限られた住環境において極めて実用的です。
3. 「天日干し」による究極の清潔維持
敷布団派の多くが挙げるのが、外干しした際の心地よさです。太陽の紫外線を直接当てることで殺菌効果が期待でき、中綿に溜まった湿気を完全に飛ばすことで、布団特有の「ふっくら感」が復元します。
「自分の手で干して、太陽の匂いがする布団で眠る」という清潔感への確信は、心理的なリラックス効果を生み、入眠の質を高める一因となります。
敷布団のデメリット:現代住宅で直面する「限界」
一方で、フローリングや気密性の高いマンションにおいては、敷布団特有の弱点が顕著に現れることがあります。
1. 「せんべい布団」化による身体への物理的負担
敷布団の最大の課題は、中綿が徐々に潰れてしまう**「ヘタリ」**です。 新品の時はふっくらしていても、毎日体重がかかることで数ヶ月から1年もすれば中綿が固まり、厚みが半分以下になることも珍しくありません。この状態、いわゆる「せんべい布団」で寝続けると、骨盤や肩甲骨が床に直接当たる「底付き感」が生じます。
これが原因で血行が阻害され、朝起きたときの身体のバキバキ感や、慢性的な腰痛を誘発するリスクがあるため、定期的な「打ち直し」や買い替えといったメンテナンスコストが不可欠です。
2. フローリング直敷きによる「結露」と「カビ」の猛威
畳はイ草が水分を吸ってくれますが、フローリングは水分を全く吸収しません。現代の気密性が高い部屋で敷布団をフローリングに直敷きすると、体温で温められた布団と冷たい床の間で激しい結露が発生します。一晩寝ただけで布団の裏がしっとり濡れてしまうこともあり、これを放置すればわずか数日で黒カビが繁殖します。
三つ折りマットレス以上に「毎日の上げ下ろし」が絶対条件とされるのは、この結露リスクを回避するためです。
3. メンテナンスに要する身体的コスト
敷布団を清潔に保つためには、定期的な外干しが欠かせません。しかし、シングルサイズでも3〜5kg、重いものならそれ以上の重量がある敷布団をベランダまで運び、高い竿に掛ける作業は、腰痛持ちの方や高齢者の方にとっては決して小さくない身体的負担(労働コスト)となります。
三つ折りマットレスと敷布団、どっちを選ぶべきか?見るべき重要なスペック

「三つ折りマットレス」と「敷布団」、どちらを選ぶべきか方向性が見えてきたら、次は具体的なスペックの読み解き方が重要です。カタログの甘い言葉に惑わされず、プロが必ずチェックする「失敗しないための指標」を徹底解説します。
三つ折りマットレスなら「耐久性」と「メンテナンス性」を凝視
マットレスは一度買うと長く使うものです。数値でわかる耐久性と、家事の負担を減らす仕様を確認しましょう。
密度(D)と硬さ(N)
密度(30D以上推奨):ウレタンの密度は耐久性に直結します。30D以上あれば5〜8年はヘタらずに使用可能です。20D前後の安価なものは、数ヶ月で腰の部分が凹むリスクがあるため注意しましょう。
硬さ(150N〜180N):身体を支える反発力の強さです。一般的な体格の方なら「硬め(150N以上)」を選ぶことで、腰の沈み込みを防げます。
側生地(カバー)が「L字ファスナー」か
三つ折りマットレスは中材が3つに分かれているため、カバーの着脱が非常に面倒なモデルが多いです。「L字型」に大きく開くファスナーを採用しているものを選べば、洗濯時のストレスが劇的に軽減されます。
プロファイル加工(凹凸加工)の有無
ウレタンの表面が卵パックのように凸凹になっているものを「プロファイル加工」と呼びます。これは点で体を支えるため体圧分散性がより細かく発揮されるだけでなく、体とマットレスの間に空気の通り道ができるため、ウレタン特有の「蒸れ」を解消する効果もあります。
参考リンク: ウレタンフォームマットレス(消費者庁:家庭用品品質表示法)
敷布団なら「中芯の構造」と「素材の機能性」をチェック
敷布団を1枚で、かつフローリングで使うなら、以下の要素が「身体の痛み」と「衛生面」を守る防波堤になります。
固綿(中芯)入りの三層・四層構造
中心に「固綿(かためん)」という硬い芯材が入ったタイプを選んでください。周りを柔らかい綿で包んだ構造であれば、ふんわりとした感触を保ちつつ、芯の部分で荷重を支えるため、底付き感を劇的に軽減できます。
ウール(羊毛)50%以上の混用
ポリエステル100%の格安布団は蒸れやすく、冬は冷たく感じがちです。ウールが50%以上混用されているものなら、天然の吸放湿機能により、夏はサラッと涼しく、冬は体温を逃がさない理想的な寝床内環境を作れます。
SEKマーク(抗菌防臭・防ダニ加工)の有無
敷布団は湿気を溜め込みやすいため、菌の繁殖を抑える加工が不可欠です。一般社団法人繊維評価技術協議会が認証する**「SEKマーク」**が付いている製品は、厳しい試験をクリアした抗菌防臭・防ダニ性能の証であり、信頼性の目安となります。
参考リンク: SEKマークについて(一般社団法人繊維評価技術協議会)
三つ折りマットレスと敷布団に関するよくある質問(Q&A)
Q1:フローリングに直接敷いても大丈夫?
A: 三つ折りマットレスなら、厚み10cm以上あれば概ね問題ありません。ただし、どちらの場合も「除湿シート」を下に敷くことを強くおすすめします。冬場の結露や夏場の寝汗によるカビは、どんなに良い寝具でも防ぎきれないからです。
Q2:三つ折りマットレスの上に敷布団を重ねてもいい?
A: 基本的にはおすすめしません。重ねることで通気性が悪くなり、カビの原因になります。また、マットレスの体圧分散性が敷布団によって打ち消されてしまい、かえって寝姿勢が崩れることもあります。1枚で完結する高品質なものを選びましょう。
Q3:赤ちゃんや子供にはどっちがいい?
A: 窒息防止の観点から、**「硬めの三つ折りマットレス」**がおすすめです。赤ちゃんは体が沈み込む柔らかい敷布団だと危険な場合があります。また、子供は汗っかきなので、側生地が外して洗えるマットレスの方が衛生的です。
Q4:寿命が来たときのサインは?
A: 最も分かりやすいサインは、**「起きた時に腰が重い(痛い)」と感じること、そして「中央部分が凹んで戻らない」**状態です。マットレスの場合は「ヘタリ」を確認するために、中材を取り出して厚みを測ってみてください。購入時より15%以上(10cmなら8.5cm以下)薄くなっていたら、即買い替えのサインです。
まとめ|三つ折りマットレスと敷布団どっちを選ぶかは求める優先順位次第!

この記事では、三つ折りマットレスと敷布団のどちらを選ぶべきか、7つのポイントで比較してきました。
三つ折りマットレスは、「腰痛に悩んでいる」「忙しくて手入れを簡略化したい」「フローリングで寝る」という現代人のライフスタイルに最適です。
敷布団は、「天日干しの清潔感が好き」「収納場所に制限がある」「伝統的な柔らかい寝心地を好む」という方に根強い支持があります。
もしあなたが「今の寝具に不満があるけれど、どちらにすべきか決めきれない」のであれば、まずは厚み10cm以上の高反発三つ折りマットレスをおすすめします。現代の生活において、睡眠の質と手入れの楽さを最も高い次元で両立できる選択肢だからです。
今日からあなたの睡眠環境を見直し、朝のスッキリとした目覚めを手に入れてください。